乳癌で骨量減少の二次的原因が見逃されている可能性

2009年09月24日

2009-08-19 17:56:24 -0400 (ロイターヘルス)発

By David Douglas


ニューヨーク(ロイターヘルス) – アロマターゼ阻害薬による乳癌治療を受けた閉経後患者の骨量減少は増大するが、乳癌にともなう骨塩密度(BMD)の低下には、他にも重要な原因がある、とオーストラリアの研究者らはJournal of Clinical Oncology誌8月号に報告している。

「端的に言うと、癌専門医は癌治療と無関係な低骨密度の原因に注意を払う必要があるということだ」と主任研究者であるDr. G. Bruce Mannはロイターヘルスに語った。

Royal Women's Hospital(パークビル)のDr. Mannらは、診断時の中央値年齢が62歳であった200名の患者を対象に実施した観察研究の後、この結論に至った。副甲状腺ホルモン(PTH)を197名の患者で、BMDを187名の患者で評価した。

87名の患者に骨減少症が認められ、24名の患者に骨粗鬆症が認められた。ビタミンD濃度については、74名の患者に不足が、54名の患者に欠乏が認められた。さらに、ビタミンDサプリメントを摂取していた65名の患者のうち24名のみが、75nmol/L以上のビタミンD濃度を示していた。

39名の患者のPTH濃度は正常域を超えており、8名の患者は原発性甲状腺亢進症を呈しており、また、同疾患の手術を最近受けていた。27名の患者がビタミンD欠乏による二次性副甲状腺亢進症を、6名の患者が正常カルシウム性の副甲状腺亢進症を呈していた。より多くのホルモン受容体陽性癌患者では、ホルモン受容体陰性患者よりもPTHが上昇していた。

「低BMDの二次的原因は、閉経後女性で多くみられる」と同研究者らは結論付けている。

「この超専門化時代に、我々専門家が専門分野に集中することは簡単だが、それゆえに他の重要な因子を見逃す可能性がある」とDr. Mannは補足した。


J Clin Oncol 2009;27:3605-3610.

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Posted by 弥永協立病院スタッフ at 10:00│Comments(0)乳がん関連ニュース
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