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肥満、喫煙およびアルコールは二次乳癌のリスクを増大

2009年09月28日

2009-09-09 19:30:02 -0400 (ロイターヘルス)発

ニューヨーク(ロイターヘルス) - 肥満、喫煙、飲酒は全て、エストロゲン受容体陽性浸潤乳癌患者の対側乳癌リスク因子である、と最新の研究は示している。

「標準体重の維持、禁煙、適度な飲酒の3つの条件が、乳癌生存者の二次乳癌発症リスクを減少させる可能性があることを、我々の研究結果は示した」と主任著者であるFred Hutchinson Cancer Center(シアトル)のDr. Christopher I. Liは声明で述べた。

今まで、二次乳癌に関する修正可能なリスク因子についてのデータは限られていた、とJournal of Clinical Oncology誌9月8日号オンライン版の報告が示している。

新たな研究結果は、726名の原発性エストロゲン受容体陽性乳癌患者および対側二次乳癌患者と、726名の整合させた対側乳癌を呈さない被験者を対象とした、集団ベースの症例比較研究に基づいている。カルテのレビューおよび被験者への面接により、肥満、飲酒、喫煙状態を確認した。

BMI 30以上の群はBMI 25未満群より、対側乳癌リスクが40%増大していた。1週あたり7杯以上のアルコール飲料摂取群では、アルコール非摂取群に比べて、リスクが90%増大していた。最後に、現喫煙群は、喫煙歴がない群より、リスクが120%上昇していた。

現喫煙者で1週あたり7杯以上のアルコール飲料摂取群は、アルコール摂取量が少なく現在喫煙していない群より、対側乳癌のオッズが7.2倍増加した。

関連論説にて、Dana-Farber Cancer Institute (ボストン)のDr. Jennifer A. Ligibelは「乳癌と診断されてから数年以内に修正可能なリスク因子の変化が、乳癌生存者における二次原発乳癌や他の有害事象のリスク低下に対して有効かどうかを決定するために、乳癌と診断されてからの体重減少や、他の行動介入に関する無作為化試験データが必要である」とコメントしている。


J Clin Oncol 2009.

  

Posted by 弥永協立病院スタッフ at 12:56Comments(0)乳がん関連ニュース

乳癌の腹膜転移は予後不良のシグナル

2009年09月25日

2009-08-25 8:50:43 -0400 (ロイターヘルス)発

ニューヨーク(ロイターヘルス) - 乳癌腹膜転移患者の生存期間の中央値は「驚くほど短く」、6ヶ月以上生存する患者はほんの一握りであることを新たな研究は示している。

「このような進行癌の患者は、再発する癌性腹水を除去するために、頻回入院が必要となることが多い」とImperial College Healthcare NHS Trust(ロンドン)のDr. Justin Stebbingらは報告している。

こうした患者の管理と予後に関する情報は「乏しい」と研究者らは語っている。しかし彼らは自らの所見に基づいて、乳癌の腹膜転移は「予後が極めて不良であり、特異的な状態であること」を示唆している。

European Journal of Cancer 8月号に報告されているように、研究者らは乳癌からの腹膜転移が確認された44名の患者の転帰について再検討した。早期乳癌であった34名の患者に関しては、診断時の年齢中央値は50歳であり、腹膜転移が診断された時の年齢中央値は55歳であった。10名の患者はステージIVの乳癌であり、3名の患者にはその時点で既に腹膜転移があった。

組織検査では、77%に浸潤乳管癌を認め、16%に浸潤の小葉癌を認め、残り7%については癌のタイプを断定することができなかった。

患者は腹膜転移と診断される前に中央値で3回の化学療法と2回のホルモン治療を受けていた。診断後に、25名はさらに化学療法を受け、8名はセカンドライン、またはサードラインのホルモン治療を受けた。38名は、少なくとも1回の穿刺術を必要とした。

腹膜転移と診断されてからの生存期間中央値は1.56ヶ月であった、と著者らは報告している。ホルモン受容体陽性例も同様に生存期間が短かった。

研究者らは、最終的に有効な治療法を開発するためには、腹膜への乳癌細胞の播種を防止する分子経路を特定する必要があると考えている。

一方英国チームは、「追加的な積極治療を施行したにもかかわらず、転帰不良であった個人を、特にこうした患者集団を対象とした臨床試験に組み入れることは十分に価値があることである」と結論付けている。


Eur J Cancer 2009;45:2146-2149.   

Posted by 弥永協立病院スタッフ at 10:00Comments(0)乳がん関連ニュース

乳癌で骨量減少の二次的原因が見逃されている可能性

2009年09月24日

2009-08-19 17:56:24 -0400 (ロイターヘルス)発

By David Douglas


ニューヨーク(ロイターヘルス) – アロマターゼ阻害薬による乳癌治療を受けた閉経後患者の骨量減少は増大するが、乳癌にともなう骨塩密度(BMD)の低下には、他にも重要な原因がある、とオーストラリアの研究者らはJournal of Clinical Oncology誌8月号に報告している。

「端的に言うと、癌専門医は癌治療と無関係な低骨密度の原因に注意を払う必要があるということだ」と主任研究者であるDr. G. Bruce Mannはロイターヘルスに語った。

Royal Women's Hospital(パークビル)のDr. Mannらは、診断時の中央値年齢が62歳であった200名の患者を対象に実施した観察研究の後、この結論に至った。副甲状腺ホルモン(PTH)を197名の患者で、BMDを187名の患者で評価した。

87名の患者に骨減少症が認められ、24名の患者に骨粗鬆症が認められた。ビタミンD濃度については、74名の患者に不足が、54名の患者に欠乏が認められた。さらに、ビタミンDサプリメントを摂取していた65名の患者のうち24名のみが、75nmol/L以上のビタミンD濃度を示していた。

39名の患者のPTH濃度は正常域を超えており、8名の患者は原発性甲状腺亢進症を呈しており、また、同疾患の手術を最近受けていた。27名の患者がビタミンD欠乏による二次性副甲状腺亢進症を、6名の患者が正常カルシウム性の副甲状腺亢進症を呈していた。より多くのホルモン受容体陽性癌患者では、ホルモン受容体陰性患者よりもPTHが上昇していた。

「低BMDの二次的原因は、閉経後女性で多くみられる」と同研究者らは結論付けている。

「この超専門化時代に、我々専門家が専門分野に集中することは簡単だが、それゆえに他の重要な因子を見逃す可能性がある」とDr. Mannは補足した。


J Clin Oncol 2009;27:3605-3610.   

Posted by 弥永協立病院スタッフ at 10:00Comments(0)乳がん関連ニュース

食事鉄と貯蔵鉄が乳癌に関連

2009年09月23日

2009-08-18 18:37:16 -0400 (ロイターヘルス)発

ニューヨーク(ロイターヘルス)- 食事鉄と貯蔵鉄は、線維嚢胞性疾患および乳癌と有意に関連している、とする報告がInternational Journal of Cancer誌9月号に掲載された。

筆頭著者でOregon Health and Sciences University(ポートランド)のDr. Amber B. Mooreは、これまでの疫学研究の大半では、鉄分摂取と乳癌には関連性がないことが示されてきたが、良性乳房疾患を有する患者の乳房組織中の鉄濃度の上昇がみられる場合は、のちに乳癌を発症するリスクが高いことが示された、と指摘している。

著者らは、食事鉄の摂取による血漿中のフェリチンと、増殖性および非増殖性の線維嚢胞性変化リスクや乳癌リスクの可能性のある関連性を評価するために、中国上海において、乳房自己検査試験の対象であった女性にコホート内登録を行い、患者対照研究を実施した。研究者らによると、中国では洋食が増えるにしたがって、乳癌の発症率も上昇してきたという。

この試験では、乳癌患者248名、線維嚢胞性変化を呈する患者346名と、対照者1,040名を対象とした。線維嚢胞性変化を呈する患者346名のうち、158名が非増殖性の変化であった。

血漿中フェリチン値が高い患者は、非増殖性の線維嚢胞性変化を有する可能性が有意に高かった(最高四分位対最低四分位のオッズ比2.51、p=0.04)。同様の関連性が血漿中フェリチン値と、増殖性変化や、線維嚢胞性の全症状のほか、乳癌でもみられたが、いずれも統計学的に有意ではなかった。

乳癌患者および線維嚢胞性変化を呈する患者を合わせた合同群を、対照群と比較した場合、食事鉄はどちらの病態リスクとも関連していなかった。

しかし、非増殖性の線維嚢胞性変化を呈する患者のサブセットにおいて、鉄分摂取の最高四分位の患者は、癌の発症リスクが有意に高かった(最高四分位対最低四分位のオッズ比2.63、p=0.02)。

「要約すれば、血漿中フェリチン値で測定したところ、鉄貯蔵は乳腺上皮における線維嚢胞性変化のリスクを高める可能性があり、食事鉄の摂取によって...、この病変が乳癌へと進行するリスクが増大すると考えられる」と研究者らは記している。


Int J Cancer 2009;125:1110-1117.
  

Posted by 弥永協立病院スタッフ at 10:00Comments(0)乳がん関連ニュース

乳癌に対するアントラサイクリン治療反応に関係する遺伝子変化

2009年09月22日

2009-05-08 12:24:03 -0400 (ロイターヘルス)発


ニューヨーク(ロイターヘルス) - トポイソメラーゼIIα(TOP2A)遺伝子の変化は、乳癌に対するアントラサイクリン含有レジメンの反応性を、アントラサイクリンを含まないレジメンより向上させることに関係しており、これはHER2が増幅した患者に見られる特徴と類似している、とJournal of the National Cancer Institute誌5月6日号で報告されている。

University of Toronto(カナダ オンタリオ州)のDr. F. P. O'Malleyらは、リンパ節転移陽性乳癌を有する閉経前の女性を対象とし、補助化学療法の効果とTOP2A遺伝子変化との関係を、CEF(シクロホスファミド、エピルビシン、5-フルオロウラシル)、CMF(シクロホスファミド、メトトレキサート、5-フルオロウラシル)両レジメンの比較によって調査した。計438の腫瘍を検討した。

TOP2A遺伝子変化単独では、無再発生存期間や全生存期間への独立した関与は認められなかった、と著者らは報告している。

一方、TOP2A遺伝子変化のある患者では、CEF療法の方がCMF療法よりも経過が良好であった。

さらに、TOP2AとHER2がともに変化していた患者では、CEF療法の方がCMF療法よりも無再発生存期間と全生存期間を改善する傾向を示した。

「これらの結果から、TOP2A遺伝子変化やHER2の増幅がない腫瘍を有する患者ではCMFなどの毒性の低いレジメンによる治療が可能であるが、TOP2A遺伝子変化やHER2の増幅がある腫瘍を有する患者ではCEFなどの高用量アントラサイクリンを含むレジメンを受けるべきである」とDr. O'Malleyらは論じている。

また、「我々のデータは、アントラサイクリン併用レジメンを選択する際の指標として、TOP2A遺伝子変化とHER2増幅の測定が同様に有用であることを示している。」と補足している。

「依然として残っている問題は、トラスツズマブやラパチニブなどHER2遺伝子変化を直接の標的とする薬剤の使用が可能である現在においてもなお、HER2とTOP2が共に増幅している患者が、アントラサイクリン系薬剤から付加的なベネフィットを得ることができるかどうかである」と関連論説の著者らは述べている。

「そのためには、HER2抗体を併用し、アントラサイクリンベースのレジメンと、非アントラサイクリンレジメンを比較した、近年実施あるいは現在進行中の大規模な補助療法試験を精査する必要があるだろう」とUniversity of California School of Medicine(カリフォルニア州ロサンゼルス)のDr. Dennis J. SlamonおよびUniversity of Southern California Keck School of Medicine(ロサンゼルス)のDr. Michael F. Pressは記している。

「しかしながら、今回のデータおよびこれまでに発表された多くの文献から、その『判断基準』はHER2発現が正常な乳癌であることだと考えられる」と同研究者らは結論付けている。「このような患者は、補助療法の一環としてアントラサイクリン系薬剤の投与を受けるべきではない」


J Natl Cancer Inst 2009;101:644-650,615-618.
  

Posted by 弥永協立病院スタッフ at 10:00Comments(0)乳がん関連ニュース

ラパチニブは炎症性乳癌に活性を示す

2009年09月21日

2009-04-27 17:22:25 -0400 (ロイターヘルス)発

ニューヨーク(ロイターヘルス) - 上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬であるラパチニブは、HER2過剰発現の認められる再発、あるいは難治性の炎症性乳癌に有効な治療薬である可能性がある、と新たな研究報告が示唆している。

ラパチニブに対して完全奏効を示した患者はいなかったが、39%の患者が部分奏効を示しており、また、皮膚障害の程度が50%軽減した。しかしながら、副作用はかなり頻繁に生じ、いくつかの致死的合併症は薬剤に関連している可能性があった。

The Lancet Oncology誌4月27日号オンライン版に掲載された研究報告によると、炎症性乳癌は非常に侵襲性の強い悪性腫瘍として知られ、初回化学療法に抵抗性を示した患者に対する治療の選択肢は限られている。

患者30名を対象にした以前の研究では、ラパチニブ治療に対する奏効率は50%であった、と主著者であるThe Chaim Sheba Medical Center(イスラエル テルハショメル)のDr. Bella Kaufmanらは述べている。ラパチニブの効果をよりよく評価するために、コホートを126名に拡大した。

第II相非盲検試験の被験者は、1日1回ラパチニブ1,500mgを投与された。固形癌の治療効果判定(RECIST)基準を用いて、皮膚障害に対する反応は4週間毎に評価し、また、局所進行または転移患部における反応は8週間毎に評価した。

無増悪生存期間および奏効期間の中央値は、それぞれ14.6週と20.9週であった。トラスツズマブによる先行治療は、ラパチニブ反応の可能性に影響を及ぼさなかった。

治療期間中に92%の患者に、有害イベントが1回以上発生した。約1/3の患者に重篤なイベント(ほとんどが呼吸困難および胸水)が発生した。患者5名が薬剤関連の可能性がある有害イベントにより死亡した。

「ラパチニブによる単剤療法は、複数の前治療歴のあるHER2陽性の炎症性乳癌患者に対して、臨床的に有効である可能性がある。これらの治療抵抗性患者において示された奏効率や奏効期間、および全生存期間の中央値は、ラパチニブの役割を裏付けるものである」と著者らは結論付けている。


Lancet Oncol 2009.
  

Posted by 弥永協立病院スタッフ at 10:00Comments(0)乳がん関連ニュース